blog

レッスンとブログ 再開のお知らせ

お節料理2023

新年明けましておめでとうございます。
なんと!一年間ブログを放置してしまっていました。。。

一昨年末、義父が亡くなり、レッスンの再開が重なったり、一時帰国した娘が羽田空港で足止めになり車で迎えに行くなどして、新年に入ってから少し疲れているのかな、体調が優れないな、とは思っていたのです。

更に2月に仕事関係のことで弁護士さんに相談する程ショックな出来事があり、心身共に辛い毎日が続きました。
そんな時同じ持病を持つ友人に甲状腺の検査を勧められ、そう言えばコロナ禍で随分検査していないなと急に気になって・・・。
検査結果にびっくり!とんでもない数値になっていたのです。
今は元気にしていますが、1年経った今も血液検査の結果はまだ正常値には戻らず通院しています。
甲状腺の病気は未だに発症原因が解明されていないのですが、遺伝とストレスが大きな要素なのは確実とのこと。
すぐに休養するようにと言われて、ご注文以外の仕事、Instagramやお稽古などもお休みして、ただひたすら大人しくしていました。

春になり、少しずつイベント出展やお稽古、ランチや旅行など、細々とオーダーメイドのお仕事をしながら再開していた中、多くの方からブログの再開をお勧め頂いて。
文字数の少ないSNS全盛期に、読みにくい長文のブログ、私の文章に、そんなご興味お持ちの方はおられないはず・・・と思っていたのですが、私個人の人となりやその時の思いがわかるブログに、想像していた以上に読者の方がいらしたことに物凄く驚きました。
学生時代からの友人、ロンドン時代からの友人や生徒さまなど、長年私のことをご存知の方が「楽しみにしていた」「文章が好き」「また書いてほしい」と仰って下さったことは、ちょっと衝撃でもありました。
想像以上にたくさんの方が気にかけて下さっていることに感動し、そして自分でもわかっていたことなのですが、自己評価が低過ぎるのだと改めて痛感。。。

我が家にいらしたお客様や友人に、お料理や収納などのレッスンをとリクエストを頂いても、自信も無くてハードルが高く感じて受け流していたのですが、昨年末思うところがあり、数年来おせち料理のレッスンをとリクエストくれていた友人にひっそりレッスン開催してみました。
私の拙いレッスンに本当に喜んでくれたようで、早速人生初という見事なおせち料理を作ってお写真や動画を送ってくれて大感激!
専門家から専門的なことを教わりたい訳ではなくて、現役の主婦から主婦がやりやすい方法を、なにより「私から」教わりたいのだとの友人の意見はとても嬉しく参考になり、そして小さな自信、大きな喜びを与えてくれました。

人生半ばを過ぎ、私は残りの人生で何をしたいのだろう、私は何に喜びを感じるのだろうと、コロナ禍で自分に向き合う時間が増えて、今まで以上に真剣に考えました。
私はどうやら、困っている人の助けになる、困っている人に喜んでもらえることに大きな喜びを感じるようです。
自己評価が低いためでしょうか、自分が役に立っていると感じられることで、自己評価の向上にもつながるのかも知れません。
残りの人生、困っている人に喜んで頂けて、自分も喜びが感じられることができれば素敵だなぁと思うようになりました。

毎日の生活に行き詰まりを感じている、お家に帰るのが億劫、家事が苦手だけど教わる人が周りにいない、誰かに相談したい、料理だけでは無く全体的に家事を教わりたい、自分に合った家事の方法を知りたい、育児や家事について、仕事との両立についてなど、ただ話したり相談する場所が欲しいなど、様々な思いや悩みを解決は難しくても、話す場所があるだけで心がほぐれることももしかしたらあるかも知れません。

ロンドンで生活していた頃、始めは駐在日本人家庭の方向けに日本のお菓子作りのお教室を主宰していました。
まだ若く人間的にも未熟であったため、些細なことが気になったりうまく質問に答えられず自己嫌悪に陥ったり、大変拙いレッスンであったにも関わらず、日本語で日本のケーキが学べるお教室が少なかったこともあり、熱心に通って下さる方もいらっしゃいました。
その中に国際結婚をしてロンドンにお住まいで娘同士が日本語補習校で同級生だったEさんがおられました。

シュガーケーキにご興味があり現地の近所のカレッジで学ばれたこともあるEさんは、お菓子のレッスンの後現地カレッジについて丁寧に教えて下さったり、子供の教育についてお話したり、個人的にも交流を持つようになりました。
お菓子作りだけでなく我が家の収納やインテリア、私の料理やパン作りなどにもご興味をお持ち下さって、収納やインテリア、お料理やパン作りのレッスンもして欲しいと、それはご熱心にリクエストを頂いて。

元々の自己評価の低さや若さから自信が持てずにいた時に、日本で新しく収納の資格が出来るらしいから受験してはと友人に勧められ、一時帰国時に一気に取得したのが整理収納アドバイザーの資格でした。
しかし資格取得後レッスンをしてみたのですが、そこにはEさんはいらっしゃいませんでした。
いつも「弟子になって住み込みで修行したい」とまで仰って下さっていたのに突然レッスンにお越しにならなくなったことに、私は疑問と残念な気持ちを持ちながらも、自信のなさと未熟さゆえにお尋ねすることできませんでした。

私が何か失敗をしたのかも知れない、余計なことを言ってしまったのかも知れない、気分を害してしまったのかも知れない・・・と気になったりもしましたが、お教室業界には「全然そんなことはなくてただ予定が合わないだけかも知れないから考え過ぎないように」という定説があり、私もそう思うように心がけました。
そしてそのうち、補習校での送迎時にさえお見かけすることもなくなっていきました。
久々にお見かけした時驚くほどに顔色が優れず驚いたのですが、勇気が出ず結局ご挨拶しただけでした。
そして、その挨拶が私が聞いたEさんの最後の言葉でした。
Eさんは私の想像以上に重い病気と闘われていたのです。
その日から半年ほど経ったある日の朝、Eさんといつも一緒にレッスンにお越し下さっていたお友達から、Eさん亡くなられその日にお葬式があるとお電話頂いたのです。

私はその後半年ほど、あまり記憶がありません。
お葬式でEさんの姿を見ても現実とは思えず、ただひたすら後悔しました。
なぜあの時話しかけなかったのだろう、なぜ連絡差し上げなかったのだろう。

Eさんは、ご自身の人生が残りわずかであることを早くからご存知だったそうです。
娘と同じ歳のお嬢さんを残して旅立つ悔しさや無念さも、想像すると私は胸が張り裂けそうでした。
家族のためにお住まいを綺麗にしたいのだと、いろんなものを作って食べさせてあげたいのだと話してくれたのに、どうして私はその希望を叶えてあげる勇気が持てなかったのだろう、もっと一緒にいろんなことをすれば良かった、色々なリクエストにも応えて差し上げれば良かった。

人生の様々な失敗は、後悔ではなくて反省してその後に活かすことが出来ます。
これまでの失敗は、ほとんどのことが後で自分にとってむしろ良い方向に進むきっかけになっていました。
でもこのことは、人生最大の後悔です。
2度と会えない、謝ることもできない、そして一緒に何かをすることもできない。
どうすることも出来ないこともあるのだと知りました。
もし、この後悔から何かが生まれることがあるとしたら、Eさんがリクエストされていたことを現実にすることなのかも知れません。
自信がないからと、うまくいかずに傷つくことを恐れて受け流さず、リクエストしてもらえること
・収納、インテリア
・掃除洗濯など家事全般
・常備菜作り
・おせち料理やクリスマスディナーなどのお料理
・ケーキ、パン作りなど
シュガーケーキとは別のことであっても、ご興味をお持ち下さる方のお声にお応えしてみようと思います。
日々の暮らしをより良いものにしたいという皆さんのお気持ちに寄り添って、私自身も後悔をしないようにと思います。

関連記事一覧