ケーキが映える部屋作り
写真は我が家のメインダイニングルーム。
家族揃っての夕食はもちろん
お客様のおもてなし
レッスンもこちらで行なっています。
家具もイギリスで購入されたのですか?と聞かれることが多いのですが
家具も照明も
結婚した時に両親に揃えてもらったものがほとんどで
奥のバトラートレイやスツールなどの小物は
実は私が手作りしたもの。
インテリアで気をつけているのは
単独での可愛さに左右されず
トータルで可愛く見えるように
置いたときのことを考えて選んだり作ったりするということ
見栄えばかりに気を取られず
生活動線を考慮し
機能的であること
時代や様式にこだわり過ぎず
堅苦しさのないようにということ。
決して大きな家ではなく
質素に暮らしている身です。
身の丈に合わないことはしないように
お客様にも
気兼ねなく寛いで頂けるようにと心がけています。
我が家の家族は皆、おうちが大好き。
家が一番落ち着く場所
我が家が一番好きだと言ってくれることは
私の主婦モチベーションの一番の源です。
そしてパーティーも
同じものをお出しするのであれば
インテリアがより整えられた美しい空間のほうが
感動が大きいと思いませんか?
シュガーケーキは常温保存できるため
パーティーではトーキングアイテムどころか
パーティーの華としてメインに飾られるもの。
パーティープランナーに依頼せずとも
主催者は明確なプランを持ち
お店に相談に訪れます。
そして
インテリアはもちろん
テーブルコーディネートやフラワー
食事のメニュー、ドレスコードに至るまで
全てを把握した上でケーキもコーディネートしています。
多くの国々のパーティーでは
ケーキは最後に唐突に出てくるものではありません。
私が日本でもシュガーケーキを召し上がって頂きたいと思ったときに
まず改善したいと思っていたのがこの点でした。
ケーキは最後の付け足しのような存在ではなく
デザートとしてメニューの一部というだけでもありません。
シュガーケーキを食べる習慣と共に
パーティー全体をコーディネートするという感覚
インテリアや住空間の重要性も
共感頂ける方にお伝えしたいと思っていました。
そのためにと思い
帰国当初から不定期に開催しているのが
「スイートテーブル(sweet table)」というネーミングのティーパーティー。
様々な呼び方があるのですが
sweet tableは修行先のZoeネーミングで、特化した著書も出しています。
sweet(スイート)は甘いという意味以外にも、可愛いとか素敵なという意味合いもあるのですが
時々日本ではsweets(スイーツ)と読み間違われてしまい
ケーキのことだ思われてしまうのがちょっとした悩みでもあります(笑)。
スタジオの名前、Something Sweetのスイートも同様。
sweets(スイーツ)だと思われる方もいらっしゃるのですが
sweet、私としては「可愛いもの全て」くらいの気持ちなんです。
可愛くて美しいものが大好き
それを作り出せる人でありたいし
それに囲まれて暮らしたい
おばさんになっても
おばあちゃんなっても
そんな気持ちを忘れてしまいたくはありません。
Something Sweetというスタジオの名前は
Cake Decorating Magazineで一緒に仕事をしていた
編集者のMaxineがつけてくれたものです。
帰国前にスタジオの名前を考えていた時、
お店の同僚たちは
私の日本語の漢字のフルネームがとてもクールに感じているらしく
フルネームにケーキをつけるか
ケーキスタジオをつけるくらいで十分かっこいい
ショップのロゴは漢字のフルネームが良い
などなど、ちょっと私には見当違いで(笑)。
Maxineは言葉のプロ。
さすがにその感覚をすぐに理解してくれて
彼女が以前に担当した雑誌の名前Something Sweetを提案してくれて。
ネイティブが発音するととってもサウンドが可愛くて
娘に伝えると、その場にいた娘の友達たちも可愛い!!と大絶賛。
毎週木曜日の締め切りに追われて
始発の地下鉄に乗りこみ
食事を取る時間もないほどの忙しさで
ウエディングの繁忙期には
家族も出版社の二人も私がいつか倒れるのではと心配していました。
撮影で毎週一緒だったMaxineとLuciana(Max & Lu)との最後の仕事の時
ネーミングの元となったSomething Sweetの雑誌と共に
二人が私にプレゼントしてくれたのは
星型のペンダント。
You are our star!!
あなたがいなければ
この雑誌の成功はなかった
この厳しい日程での撮影は
あなたがいなければ確実に止まっていたでしょう
と書かれたカードが添えられていて
私はその場で年甲斐もなく号泣しました。
お店では忙しいため
ランチは仕事の切りの良い時に
各自で取っていたのですが
撮影では出版社が用意してくれたものを
皆で一緒に頂いていました。
ランチタイムを共に過ごすことで
厳しい撮影日程や
日々の仕事に家事育児のこと
非英語圏のマイノリティーとしての苦しさなど
拙い英語で様々なことを話し合い励まし合うことで
100号を超える連載を続けることができたのだと思います。
外国人は私一人
誰もわかってくれない
理解してもらえないという気持ちになってしまっていたら
とても続けらなかった
それどころか
あなたがいなければ撮影は止まっていたと
私を頼りにしてくれていたのだということに
本当に涙が止まらなくて
帰宅後にはまた主人に話して号泣しました(笑)。
今も
ペンダントを目にすると思い出し
胸がいっぱいになる
大切な思い出です。
Something Sweetというスタジオの名前には
イギリスでの思い出と
sweetという言葉への私の思いが込められています。
sweetはとっても日常的で軽い感じの言葉ですが
むしろ堅苦しくなくて
私にはぴったりかなと思っています。
ずっとsweetなものを作り
お届けできる人になれますように。